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「商法第285条暖簾は有償にて譲受け又は合併に因り取得したる場合に限り貸借対照表の資産の部に計上することを得此の場合に於ては其の取得価額を附し其の取得の後5年内に毎決算期に於て均等額以上の償却を為すことを要す」暖簾の有償取得とは,例えば海外のレストラン会社から日本でのフランチャイズ権を取得するような場合です。
合併による取得とは,純資産が7億円の会社を合併し,合併新株を10億円相当発行するような場合です。
いずれも,そこに超過収益力を認めて,当事者間の交渉により対価を決めます。
前者の場合は取得の対価そのものが,合併の場合は純資産を超える3億円か,暖簾(営業権)として資産計上されまず。
このように暖簾は,目に見えない企業の超過収益力を有償取得した場合に限って商法が資産計上を認めたものですが,暖簾そのものは法によって直接保護されているわけではありません。
これは,他の無形固定資産と大きく異なる性質です。
②工業所有権特許権,商標権,実用新案権,意匠権の4つは,工業所有権と総称され,これらに著作権を加えたものは知的所有権とも呼ばれます。
工業所有権は各々法律によって保護された権利で,一般的には他から買収した場合に資産計上されます。
逆に,自家創出した工業所有権は資産計上しなくてもいいのです。
ただし,これは資産計上が任意に決められるということではありません。
自家創出しか特許権,実用新案権は原則として資産計上は認められませんが,商標権などは,デザイン料,登録料等直接的な支出に限り資産計上が認められます。
③ノウハウ(know how)ノウハウとは製造技術上の秘訣であり,暖簾や特許権に類似する事実上の財産です。
会社によっては,閲覧による公開,限られた保護期間(出願公告から15年)を嫌ってあえて特許申請をせず,企業秘密として保持する場合もあり,これを第三者が技術導入する場合,第三者にとってノウハウの取得になりますが,経済的効果は特許使用権の取得と何ら変わるところはありません。
したがって,ノウハウは営業資産のひとつとして無形固定資産に計上する方がよいと思います。
④ソフトウェアソフトウェアは,特定の目的のためにコンピュータを動かす一連のプログラムのことです。
情報化の進展に伴い,企業の所有するソフトウェアの金額もうなぎ上りで,その会計基準の確立が待たれていました。
平成11年に出された「研究開発費に係る会計基準」によって,はじめてソフトウェアについて体系立った処理方法が新たに示され,資産として計上するかどうかは収益への貢献の程度によって判断することになりました(ソフトウェア・ハウスなどで,第三者のために請負って製作するソフトウェアは仕掛品として資産計上するという会計直行が確立しているので,この新基準の対象外です)。
パッケージソフトなどの市販用ソフトウェアは,請負によるものと異なり,いわば市場で販売してみなければ収益が得られるかどうかわからないものです。
さらにさかのぼって考えれば,最初に「こんなソフトが作りたい」という着想から製作を始めたとしても,実際に計画通りのものが完成する保証もありません。
したがって,市販用ソフトウェアは,製作の初期段階の費用は資産計上せずに研究開発費として認識し,完成のめどが立った時点以降発生した費用だけ資産計上することとされました。
また,資産計上したものの費用化も,収益との対応を原則とするものの,おおむね3年以内に全額の償却を終えるよう枠が設けられています。
販売目的などではなく,自社で利用するソフトウェアは,原則としてすべて費用処理となりました。
従来は税務上の取り扱いに従い,取得形態によって,購入または外注製作したソフトウェアは資産に計上し,社内製作は費用処理という方法が一般的でしたが,社内で使うソフトウェア,例えば財務会計ソフトや販売管理ソフトなどの導入は,業務改善活動などと識別しがたく,資産性に疑問がありました。
従業員が製作すれば費用処理されるのに,同じものを外部委託すると資産計上されるという基準は,資産の本質を前提に考えればもともと無理があったわけです。
今回の新基準では,自社製作,外注,購入などの製作形態の相違ではなく,純粋に目的に応じて資産性を判別することとなっており,合理的です。
それでは自社利用ソフトウェアは例外なく費用処理すべきなのでしょうか。
自社利用ソフトウェアといっても収益への貢献が明らかなソフトウェアは存在し,それは資産計上すべきです。
たとえば,NTTデータが自社で保有しているデー夕通信ソフトウェアは,サービスのかなめであり,重要な収益の源泉です。
これは典型的な例ですが,このように収益力の明らかなソフトウェアはむしろ資産計上し,適宜,収益と対応する形で費用化することが必要です。
また,一概にはいえませんが,評価の確立しているパッケージソフトなど外部から購人したものも,市場の洗礼を受けており,資産計上の可能性は高いといえるでしょう。
これらの場合,資産計上する科目は無形固定資産とされました。
8子会社株式子会社とは,他の会社に株式の過半数を保有されている会社をいい,保有している方を親会社といいます。
過半数ですから50%ちょうどの場合には子会社にはなりません。
この親子関係は直接保有,間接保有を問いませんので・,次頁の図2-3のような場合,A社はいずれもB社あるいはC社の親会社,B社およびC社はA社の子会社になり親会社に似た言葉に支配株主というのがあります。
これは計算書類規則第9条2項で,「会社の発行済株式の総数の二分の一を超える株式を有する者及び商法第211条ノ2第3項の規定により親会社となる会社をいう。
」と定義されているものです。
ここで,「者」とは,法律上の人格を持つもの(自然人及び法人)を指す用語ですから,過半数を保有する個人または法人(会社)のことです。
後半は,法人(会社)の場合のみ間接保有を含むとの意味で,これらをわかりやすく図示ここで,A,Bは会社,aは個人を表します。
⑦aはBの支配株主だが,Bはaの子会社とはいわない。
○個人には商法第211条第3項の規定がないから,aはAの支配株主ではあるが,Bの支配株主ではない(AB間の説明は省略)。
⑤aはAの支配株主ではあるが,Bの支配株主ではない。
AはBの親会社ではなく,当然BはAの子会社でない。
このように商法は明確に子会社の範囲を規定していますが,形式的すぎるという批判もあります。
過半数の株式を所有していなくても,人事や資金供給などを通じて他の会社を実質的に支配する例はいくらでもあり,この場合,商法では親会社責任があいまいになるからです。
貸借対照表上,子会社株式(または持分)は独立科目とする必要があります(計規23几これは,子会社に対する出資が,時として子会社の純資産見合だけでなく,企業支配権を含めた高い価額で取得されることや,一般の投資有価証券と違って子会社で欠損が生じた場合に,親会社が出資額以上の負担をすることがあることなどによります。
ただし,金額がわずかであれば,投資有価証券に含め,その旨および額を注記するだけでもよいとされています(計規23但書)。
子会社の資産状態が著しく悪化した場合は評価減を実施しなければなりませんが(商285ノ6③),これは回復の見込に確証が得られない限り強制されるものと解す必要があります。
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